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2010/02/21
22:50:29
『何が、年会費 1億、一泊 100万だ?舐めたシステムを取りよって』
美央へ連絡を入れた
「プルルル・・」
『ワシじゃ、今そっち行くのは、火に油を注ぐようなものだ。NEOSホテルの方におる、色々と話があるこっちに来てくれ』
『はい。それと返品等の事なんですが』
『・・・』
『何とか半分までは食い止めました』
『フン、当然だろ。いいか、マスコミに気をつけてこい、あと金を忘れるな。ホテル来たらワシの名を言え シークレットルームと言う所にいる』
用件だけを伝えるとヒロシは電話を切った
『シークレットルーム・・そんなのあるのね・・・』
美央はNEOSホテルに向かう事にした
『あっ・・』
美央は携帯を取り出し、京介に電話を入れた
「プルルル・・」
『京介君?』
『どうされました?』
『会長が戻ったの、それでNEOSホテルのシークレットなんとか・・って言う部屋にいるらしいんだけど・・そんなの今までに聞いたことが無いから・・京介君なら知ってるかな・・って思って』
『シークレットルームですね。ありますよ、ですがあまり他言しない方がよいかと・・』
『えっ・・そうよね・・シークレットだもんね・・』
『そこで会長と会われるのですか?』
『ええ、呼ばれているの』
『私・・今回の事で全財産を使っても会社を立て直すわ、会長の怒りは納まらないかもしれないけど・・兆しが見えない訳でもないの』
『そうですか・・それは良かった』
『取引先も半分は取り戻したし、直ぐに新しいイメージガールを準備する手はずなの』
『では、きっと会長さんも評価してくれるはずですね』
『だと・・良いんだけど・・』
『きっと大丈夫ですよ。特別な仲なんでしょう(笑)美央ちゃん。きっと伝わるよ』
『優しいのね・・京介君・・ありがとう 私、頑張るわ』
『では 健闘を祈ります。』
電話を切った
『・・・さて・・』
「プルルル・・・」
『ジャニス、ワシや』
『お疲れ様です。ヒロシの捕獲は成功してます』
『後程、女が向かう、美央だ。簡単に部屋に通してくれよ』
『分かりました』
シークレットルーム。
ヒロシは奴隷クラブの店長、坂本に電話をしていた
てんてんの行方をしらみ潰しにしては見たが一向に見つかる事は無かった
『おい、坂本!もっと全国的にあの小娘を探し出せ!!』
『ハイ。サタン様』
リオの逃亡の以来、坂本が新しく奴隷クラブを運営していた。
クラブの存続を願っていた、ヒロシが坂本に投資したのだった
言わばヒロシが影のオーナーと言う形であった。
電話が終わるとソファーに腰を落としジャニスが置いていった
シークレットルームのパンフを見始めた
『フン、ホテル風情が生意気だ・・』
だが・・パンフレットの内容は凄まじいものがあった
○ ホテルの年会費・宿泊料の支払は1日でも遅れた場合は会員を剥奪とする。
○ 売り買いについて
『売り買いとはなんだ・・』
そこには
薬から人身売買・臓器の販売
人体の改造・奴隷の調教依頼など
警察関係のへ禁じ手の執行
国家効力の無効化
など一般の人間では知りえぬ内容が書かれていた
その他、部屋の出入りの際のボディーチェックが義務付けられ室内の物の持ち出しは禁じられていた
『いっ・・いったいなんなんじゃ・・このホテルは・・・そして誰がワシをここに導いたんだ・・・』
『ワシが困っている事を知る人間、そして金を持っておる奴だな・・・』
このアングラな世界の共通者を考えた・・
『ゲレ社長か・・・奴しか思い浮かばんな・・・あいつめ・・相当儲かっておったか・・』
ゲレ社。
「㈱ MIO」のタイアップの効果でダイエットドリンクの販売が成功した
だが、今回のスキャンダルで㈱ MIOと同等のダメージを喰らっていた。
会社の規模の違いがあり、ゲレ社に取っては「㈱ MIO」みたいに耐え抜く力も金も既に底尽きて
ゲレ社長はすでに夜逃げをしていた
ヒロシはゲレ社長の計らいと思い込んでいた・・
『礼ぐらい言っておくか』
「プルルル・・・」
「お客様のお掛けになった番号は現在使われて・・・・」
『・・どう言うことじゃ・・・彼ではないのか・・』
『まぁ・・いい・・私にとっては協力者である事は間違いないのだからな・・。』
『それよりも、まずは会社の事だ・・』
今までのイメージを払拭するすかない
危機をチャンスと乗り越えるためには必要なのは金。
幸い、会社の社長は美央。
世間からは女が社長をしていると言う部分が多少の同情もあるだろう・・
美央を上手い事使い、金を注ぎ込み
回復の兆しを掴むそして責任を取らせる・・そう考えた。
「プルルル・・・」
部屋に備え付けの電話が鳴った
『Gです。』
『G君、ここの部屋の件なんだが・・いったい誰がワシに用意してくれただね?』
『それはお答しかねます・・』
『では、ワシが会員になるとしたらどうかね?』
『ここは会員様のご紹介が基本です・・通常の新規はお断りしております』
『何っ・・・そうか・・では今回ここの部屋を用意してくれた人間を教えてくれ、その人間から紹介をしてもらおう。何とか取りついてでもらえんかね?謝礼ははずむよ・・G君』
『かしこまりました・・。連絡を取ってみますが・・あまり期待はしないでください。今回はその方のご厚意ですから・・』
ジャニスに冷静な口調で語ると電話を直ぐに切った。
『しかし・・いったい誰なんじゃ・・・』
ヒロシは気になって仕方が無かった
「コツコツ・・」
美央は急いでNEOSホテルへ向かっていた
ホテルに入るとフロントには美央を待ち構えているようにジャニスが居た
周りの目を気にしながらジャニスは美央へ近寄った
『こちらへ・・』
エレベーターに乗った
エレベーターはスイートルームが並ぶ最上階で止まった。
廊下を奥まで歩くと少し変わった形の扉の様なものが見えてきた。
『社長、会長様がお待ちです。こちらへどうぞ』
ジャニスは専用の鍵で扉を開いた
中に入ると色々なセンサー類が装備されていた
突き当りまで歩くと目の前にはエレベーターがあった・・
そのエレベーターは下の階に向かって1階分下がった
『・・このホテル・・凄いのね・・』
『・・・』
ジャニスは微笑した
エレベーターを降り、ヒロシの待つ部屋まで行った
「コンコン・・」
『Gです。お連れ様が到着しました』
『失礼します・・』
ドアを開けると顔色が悪いヒロシが居た
『美央、ここに座りなさい』
『・・はい』
『美央、あの小娘の行方は、お前の方でも調べておるんだろうな?』
『はい。全力を尽くしてるのですが・・』
『これは・・お前の責任でもあるのだぞ!!』
『すみません・・』
『この役立たずが!!』
「バチーン」
ヒロシは美央の頬を打った
美央の体は勢い余り、倒れ口からは血しぶきが飛び散った
『すみません・・』
『おい、金は幾ら準備できたんだ?』
『今はこれが限界です』
美央は現金で5000万円をヒロシに差し出した
『これっぽっちか?なんの役にもたたのう・・』
『もう少しあったんですけど返品や賠償金の方へ回しました・・会社の損害を少なくするために・・』
『ほう・・で、現在のショートしている金額は幾らだ?』
『1億5千万円です・・・』
『お前が埋め合わせをしなければ2億は超えていたと・・・言う事か?』
『はい・・本当にすみませんでした・・』
『その金の4000万は直ぐに会社に投資しろ、残りの1000万は持っていろ・・・金は大事だ・・』
『は・・はい・・』
『で・・その後の展開は?』
『イメージガールの入れ替えと新商品の開発、ショップのリニューアルなど現在はそこまで進めています』
『・・金の掛かりそうな話ばかりだな・・』
ヒロシは不満そうに言った
『全て、あの小娘の起用が間違いだったな・・・美央?』
『申し訳ございません』
『起きてしまった事を言っても仕方がないが・・だが、損害額が大きすぎる。またその後の投資額も大きいな・・言ってる意味が分かるか?』
『・・・』
『美央、それなりに責任は取ってもらう事になるからな・・・お前は社長だ「㈱ MIO」グループのTOPなのだよ・・致し方あるまい・・分かるな?』
『覚悟は出来てます』
『そうか・・』
ヒロシは静かな口調で言った。
『さて・・どうしたものかのう・・・』
美央は俯いたままだった
『表面上はそれで良い・・だが、どうも腹の虫が納まらん・・』
『・・・申し訳ございません』
『ワシが一代で築き上げた会社だぞ!申し訳ないで済むと思ってるのか!!』
ヒロシは美央の髪を引っ張りベット放り投げた
『きゃぁっ』
ヒロシは自分の鞄から紐を取り出した。
美央のタイトスカートを捲りあげ
ストッキングとパンティーを一気に脱がせ開脚させ紐で固定した
ヒロシは美央へ屈辱的なお仕置きをしようと道具を準備していた
美央の体を仰向けにさせ、パックリ開く股間と顔をカメラに納めた
『ハッハッハ、穴まで丸見えだぞ!美央 ハッハッハ』
その後、ヒロシは美央の屈辱的な写真を数10枚撮り続けた
美央は成すがままであった
こんな事で会社の被害やヒロシの怒りが納まるのなら・・・
「我慢できる・・」そう思った。
。
2010/02/21
12:06:34
京介は愛美を監禁している部屋に向かった
「ガチャ・・・」
愛美の精神面を気にしていた・・
部屋に入りと窓際でぐったりしている倒れている愛美を発見した
『う・・・うぅぅ・・・』
『・・・愛美』
顔が青ざめ完全に意識が朦朧としていた・・
愛美を抱き寄せた
『き・・京ちゃ・・ん・・』
『やはり・・耐えきれなかったか・・・』
愛美は京介の事は分かるが・・・
それ以外の事は分からないくらいに精神的なダメージ受けていた・・
『このままに・・しておく訳にはいかない・・』
体はガクガク震え、緊急を要する様な状態だった・・
だが・・有名人の愛美を簡単に病院には入れる事は出来ない・・
京介は愛美の生まれ故郷の病院に入れる手はずを取る事にした・・
その際、ジャニスが協力した
今、愛美は体調もそうだが居場所を知られる訳にはいかない
『ジャニス・・その病院は大丈夫なんだろうな・・』
『ええ・・お任せ下さい・・』
『すぐに向かわせる手はずをとれ、金は幾らかかっても構わん』
『はい・・・』
精神的なダメージの回復はするのだろうか・・
どれだけの衝撃があったのかはその場では分からなかった
京介は心を非情にし切れなかった・・・
『ジャニス・・。愛美を必ず助けて欲しいんや、あの時の様な事は繰り返したくないんや・・』
『・・・最善を尽くします・・』
京介は愛美を連れ、すぐさま故郷へ向かった。
・
・
・
・
・
㈱ MIO
ヒロシは事件が起きてから、すぐにはNYからは戻らなかった
自分が今、矢面に立たされるのは不味い・・
そして、空港では報道陣が待ち構えているであろう・・
この大きな衝撃の責任を美央に取らせるためでもあった
『美央・・いったい・・どうなっておるんじゃ!』
『私にも分からなくて、急にTVの電波障害が起きたとたん、てんてんさんの映像が・・』
『・・どこの局だ?』
ヒロシはTV局のコネを使い、なんとか穏便に事を終息させる事を考えた
『どこの局もです・・』
『どう言う事じゃ!!』
『どこの局にも同じ映像が流れ・・完全なテロ的な電波ジャックのようでした・・』
『よりによって・・クソッ・・何が狙いじゃ・・・』
『会長・・・どうしましょう・・・このままでは会社に対するダメージが広がるばかりです・・』
『ええいっ、お前が社長だろ!!それなりの対応をし、それなりの行動を起こせ!!お前の会社だろうが!! このクズが!!』
『は・・はい!』
『責任はキッチリ取らせるからな!また連絡する』
怒りにまかせヒロシからの電話は一方的に切られた
美央は役員室で頭を抱え込み、涙を流した・・
『もう・・私も・・・終わりね・・・』
美央のそんな気持ちとは関係無くマスコミの攻めは怒涛の如く続いた
取引先や一般ユーザーからのクレームの電話も鳴りやむ事はなかった
ヒロシ自体も美央に押し付けて事が治まるとは考えておらず
何か手を打たなければと考えていた
会社の株も一気に暴落、もはや会社の存続自体が危ういと感じていた・・
『個人資産をつぎ込んで何とかのり超えるしかない・・・クソッ・・美央め・・だから言ったのじゃ非情になれと!!』
「プルルル・・・」
美央の携帯が鳴った
美央は着信が誰であるかも確認できる状況じゃなく電話を取った
『はい・・』
『社長・・大変な事になりましたね・・・』
『・・京介君・・』
『・・はい・・』
『私・・どうしていいか・・会長からも責められて・・・もう 私は終わりよ・・死にたい・・』
『気持ちは察しますが・・・死んだら終わりです。会長とあなたの資産を使ってでも必ず何か手を打つべきです。恐らく・・会長は既にそう考えて動いていると思います・・』
『会長と・・私の資産・・』
『そうです・・株の暴落を止めてその後は、あれは「㈱ MIO」は加害者では無く、被害者なのだと国民の同情をかうのです。日本は金で動きます・・・必ず金が解決してくれます・・』
『京介君・・・あなた・・いったいどこまで知っているの・・・』
『社長・・これは成るべくしてなった。そして誰もが私は違う、自分の意志だと思い込む・・傀儡の業・・と私は考えます・・』
『傀儡の業?・・それはいったい何?誰がそうさせているの・・』
『・・・誰しもが気づかずに進む・・・作られた運命みたいなものです・・・』
『言ってる意味が分からないわ・・京介君・・それより私はどうしたらいいの・・もう全てが終わる・・』
『大丈夫。必ず会長さんは私の言うように金で解決する策に辿り着くはずです・・』
『京介君・・・あなた・・もしかして・・』
『・・・なんですか?』
『いえ・・何でもないわ・・』
『私は社長に頑張って欲しいんです・・それで沢山の情報をかき集めました。スピードが勝負です、細かい事は説明しなくて分かりづらかったとは思いますが、一刻も早く手を打つのが先決だと思って・・出すぎた事を言ってしまったのかも知れません・・・すみません』
『そう・・ごめん・・ありがとう。 これからもまた相談に乗ってくれる?・・・私、恐くて・・』
『えぇ・・勿論・・・』
美央の感性は鋭かった・・・
だが、目の前の問題に冷静な判断は考え付かなかった・・
「プルルル・・」
『美央か?ワシじゃ、来週には戻るそこで少し話がある・・・』
『私もお話があります』
『何だ?言ってみろ』
『このような事になったのも私の采配のミスです・・自分の資産を投資してでも、会社のダメージを埋めます。』
『フン・・何かと思えば・・当たり前だろ!当然じゃ!この役立たずが・・』
罵声を浴びせられ電話は切られた・・・
『当然だ・・・か・・・そうよね・・会長が一代で築き上げた会社だもんな・・』
何とか この危機を乗り越えて、再度登りつめよう・・
美央は前向きに考える様にした。
暫くの間は何をするのにもマスコミのネタになる・・
個人的な動きにも気をつけないといけない、そう思っていた
愛美・・・。
愛美は搬送先の病院での治療で体力の回復まではたどり着いていた
だが、精神的なダメージが大きく、時折意味不明な言動や奇声をあげたりと
まだまだ、時間のかかる状態であった
京介は数日間、愛美の傍にいた
『愛美・・強くだ・・強く・・そして帰って来い・・』
意識が戻るのを祈った。
愛美は目は時折開けるが
一点だけを見つめるだけ、意識的な反応は全くなかった
『愛美・・また来るからな・・・待ってろな』
プラン続行の為、関東に戻る事にした
ヒロシがNYから時期に戻るだろう・・・
そして美央を責めたて、なんらかの処分を下すであろう
そしてヒロシは愛美の居場所を探しまくるだろう・・
「そうそうお前の思い通りにはさせん・・・」
ヒロシがてんてんを発見に至った場合必ず殺すであろう・・
何としても、愛美を守ろうと考え念密なセキュリティープランも組んでいた。
愛美が見つからない以上怒りの矛先は美央へ向けられる・・
美央の誠意として出す金や気持がどこまでヒロシに伝わるものなのか・・・
一方的な歪んだ形の愛に着眼していた・・
それは・・まるで自分の事のようにも感じていた・・
数日後、ヒロシは日本に到着した。
会社の方には直ぐに向かわずNEOSホテルへ向かった。
『しかし・・・どうしたものかのう・・・』
ヒロシの財産と美央の財産を合わせれば急場は凌げるのは明確であったが
そこまでの計算は出来ても、その後に対する手法が思いつかなかった
『会社の建て直しはともかくとして世間の愚民どもは納得せずに ギャーギャー騒ぐのだろうな・・・』
『あの小娘め・・』
ヒロシがNEOSホテルへ着くと直ぐに部屋の方へ通された
ヒロシが通された部屋はいつも利用するスイートルームでは無かった
『なんだ・・いつもと違う部屋だな』
「コンコン」
『誰だ・・・』
ヒロシはマスコミを警戒しながらのぞき穴を見た。
そこには見た事のある男が立っていた。
ヒロシは警戒しながらも扉を開けた
『直ぐ入れ』
『君は・・確か・・ラウンジのオーナーだったな・・』
『はい・・Gと申します』
『G君か。一体何の様だね・・』
『この度は大変な騒ぎになり・・・心中察しいたしております。』
『あぁ・・困ったものだよ・・小娘を信用したワシも迂闊だった。 また使っている人間も無能な奴らばかりだ。』
『例の女性の社長さんは頑張っているのではないですか?』
『フン。所詮女だよ、使えたものではない』
『ですが美央社長も被害者の一人と感じますが・・・』
『相手を読みきれん人間など無能だ、現に会社に多大なる損害を出している・・采配ミスは社長の判断が間違っていたと言う事だ』
『・・・勉強になります・・・。』
『・・・』
『この部屋の事なんですが・・・』
『ほう、いつもと違う部屋じゃないか?どう言う事なんだ?』
『いつもの部屋では外部に情報が漏れやすいと・・あるお方のご厚意で準備させて貰いました』
『ほう・・そんな気の利く奴がおるのかね? 誰かね?是非御礼をさせて貰いたい』
『はい。ですが その方は 自分の名は伏せるようにと言う事でして・・』
『・・・そうか・・ この部屋はとてもいいな。 何か特別な契約が必要なのか?』
『はい。会員制です』
『ほう。年会費はいくらだ?』
『一億円となっております。また一泊100万となっております』
『一億・・』
『NEOSシークレットルームで御座います・・』
『シークレットルーム・・・そんな部屋がここに存在してるとわな・・』
『はい 特典も多数御座います』
『特典とは?』
『会員様のみ、お伝えしております』
『何。このワシでも聞けんと言うのか?』
『申し訳ございません』
『腹立たしい奴だここの宿泊分は自分で払う』
ヒロシは相当腹を立てていた
会社が傾きかけているヒロシに取っては一億の年会費など払える訳が無い
『会長さん、良かったら御覧下さい・・』
そう言い概要のパンフを渡した
ヒロシは無言で受取りテーブルへ投げつけた・・・
「ガチャ・・・」
愛美の精神面を気にしていた・・
部屋に入りと窓際でぐったりしている倒れている愛美を発見した
『う・・・うぅぅ・・・』
『・・・愛美』
顔が青ざめ完全に意識が朦朧としていた・・
愛美を抱き寄せた
『き・・京ちゃ・・ん・・』
『やはり・・耐えきれなかったか・・・』
愛美は京介の事は分かるが・・・
それ以外の事は分からないくらいに精神的なダメージ受けていた・・
『このままに・・しておく訳にはいかない・・』
体はガクガク震え、緊急を要する様な状態だった・・
だが・・有名人の愛美を簡単に病院には入れる事は出来ない・・
京介は愛美の生まれ故郷の病院に入れる手はずを取る事にした・・
その際、ジャニスが協力した
今、愛美は体調もそうだが居場所を知られる訳にはいかない
『ジャニス・・その病院は大丈夫なんだろうな・・』
『ええ・・お任せ下さい・・』
『すぐに向かわせる手はずをとれ、金は幾らかかっても構わん』
『はい・・・』
精神的なダメージの回復はするのだろうか・・
どれだけの衝撃があったのかはその場では分からなかった
京介は心を非情にし切れなかった・・・
『ジャニス・・。愛美を必ず助けて欲しいんや、あの時の様な事は繰り返したくないんや・・』
『・・・最善を尽くします・・』
京介は愛美を連れ、すぐさま故郷へ向かった。
・
・
・
・
・
㈱ MIO
ヒロシは事件が起きてから、すぐにはNYからは戻らなかった
自分が今、矢面に立たされるのは不味い・・
そして、空港では報道陣が待ち構えているであろう・・
この大きな衝撃の責任を美央に取らせるためでもあった
『美央・・いったい・・どうなっておるんじゃ!』
『私にも分からなくて、急にTVの電波障害が起きたとたん、てんてんさんの映像が・・』
『・・どこの局だ?』
ヒロシはTV局のコネを使い、なんとか穏便に事を終息させる事を考えた
『どこの局もです・・』
『どう言う事じゃ!!』
『どこの局にも同じ映像が流れ・・完全なテロ的な電波ジャックのようでした・・』
『よりによって・・クソッ・・何が狙いじゃ・・・』
『会長・・・どうしましょう・・・このままでは会社に対するダメージが広がるばかりです・・』
『ええいっ、お前が社長だろ!!それなりの対応をし、それなりの行動を起こせ!!お前の会社だろうが!! このクズが!!』
『は・・はい!』
『責任はキッチリ取らせるからな!また連絡する』
怒りにまかせヒロシからの電話は一方的に切られた
美央は役員室で頭を抱え込み、涙を流した・・
『もう・・私も・・・終わりね・・・』
美央のそんな気持ちとは関係無くマスコミの攻めは怒涛の如く続いた
取引先や一般ユーザーからのクレームの電話も鳴りやむ事はなかった
ヒロシ自体も美央に押し付けて事が治まるとは考えておらず
何か手を打たなければと考えていた
会社の株も一気に暴落、もはや会社の存続自体が危ういと感じていた・・
『個人資産をつぎ込んで何とかのり超えるしかない・・・クソッ・・美央め・・だから言ったのじゃ非情になれと!!』
「プルルル・・・」
美央の携帯が鳴った
美央は着信が誰であるかも確認できる状況じゃなく電話を取った
『はい・・』
『社長・・大変な事になりましたね・・・』
『・・京介君・・』
『・・はい・・』
『私・・どうしていいか・・会長からも責められて・・・もう 私は終わりよ・・死にたい・・』
『気持ちは察しますが・・・死んだら終わりです。会長とあなたの資産を使ってでも必ず何か手を打つべきです。恐らく・・会長は既にそう考えて動いていると思います・・』
『会長と・・私の資産・・』
『そうです・・株の暴落を止めてその後は、あれは「㈱ MIO」は加害者では無く、被害者なのだと国民の同情をかうのです。日本は金で動きます・・・必ず金が解決してくれます・・』
『京介君・・・あなた・・いったいどこまで知っているの・・・』
『社長・・これは成るべくしてなった。そして誰もが私は違う、自分の意志だと思い込む・・傀儡の業・・と私は考えます・・』
『傀儡の業?・・それはいったい何?誰がそうさせているの・・』
『・・・誰しもが気づかずに進む・・・作られた運命みたいなものです・・・』
『言ってる意味が分からないわ・・京介君・・それより私はどうしたらいいの・・もう全てが終わる・・』
『大丈夫。必ず会長さんは私の言うように金で解決する策に辿り着くはずです・・』
『京介君・・・あなた・・もしかして・・』
『・・・なんですか?』
『いえ・・何でもないわ・・』
『私は社長に頑張って欲しいんです・・それで沢山の情報をかき集めました。スピードが勝負です、細かい事は説明しなくて分かりづらかったとは思いますが、一刻も早く手を打つのが先決だと思って・・出すぎた事を言ってしまったのかも知れません・・・すみません』
『そう・・ごめん・・ありがとう。 これからもまた相談に乗ってくれる?・・・私、恐くて・・』
『えぇ・・勿論・・・』
美央の感性は鋭かった・・・
だが、目の前の問題に冷静な判断は考え付かなかった・・
「プルルル・・」
『美央か?ワシじゃ、来週には戻るそこで少し話がある・・・』
『私もお話があります』
『何だ?言ってみろ』
『このような事になったのも私の采配のミスです・・自分の資産を投資してでも、会社のダメージを埋めます。』
『フン・・何かと思えば・・当たり前だろ!当然じゃ!この役立たずが・・』
罵声を浴びせられ電話は切られた・・・
『当然だ・・・か・・・そうよね・・会長が一代で築き上げた会社だもんな・・』
何とか この危機を乗り越えて、再度登りつめよう・・
美央は前向きに考える様にした。
暫くの間は何をするのにもマスコミのネタになる・・
個人的な動きにも気をつけないといけない、そう思っていた
愛美・・・。
愛美は搬送先の病院での治療で体力の回復まではたどり着いていた
だが、精神的なダメージが大きく、時折意味不明な言動や奇声をあげたりと
まだまだ、時間のかかる状態であった
京介は数日間、愛美の傍にいた
『愛美・・強くだ・・強く・・そして帰って来い・・』
意識が戻るのを祈った。
愛美は目は時折開けるが
一点だけを見つめるだけ、意識的な反応は全くなかった
『愛美・・また来るからな・・・待ってろな』
プラン続行の為、関東に戻る事にした
ヒロシがNYから時期に戻るだろう・・・
そして美央を責めたて、なんらかの処分を下すであろう
そしてヒロシは愛美の居場所を探しまくるだろう・・
「そうそうお前の思い通りにはさせん・・・」
ヒロシがてんてんを発見に至った場合必ず殺すであろう・・
何としても、愛美を守ろうと考え念密なセキュリティープランも組んでいた。
愛美が見つからない以上怒りの矛先は美央へ向けられる・・
美央の誠意として出す金や気持がどこまでヒロシに伝わるものなのか・・・
一方的な歪んだ形の愛に着眼していた・・
それは・・まるで自分の事のようにも感じていた・・
数日後、ヒロシは日本に到着した。
会社の方には直ぐに向かわずNEOSホテルへ向かった。
『しかし・・・どうしたものかのう・・・』
ヒロシの財産と美央の財産を合わせれば急場は凌げるのは明確であったが
そこまでの計算は出来ても、その後に対する手法が思いつかなかった
『会社の建て直しはともかくとして世間の愚民どもは納得せずに ギャーギャー騒ぐのだろうな・・・』
『あの小娘め・・』
ヒロシがNEOSホテルへ着くと直ぐに部屋の方へ通された
ヒロシが通された部屋はいつも利用するスイートルームでは無かった
『なんだ・・いつもと違う部屋だな』
「コンコン」
『誰だ・・・』
ヒロシはマスコミを警戒しながらのぞき穴を見た。
そこには見た事のある男が立っていた。
ヒロシは警戒しながらも扉を開けた
『直ぐ入れ』
『君は・・確か・・ラウンジのオーナーだったな・・』
『はい・・Gと申します』
『G君か。一体何の様だね・・』
『この度は大変な騒ぎになり・・・心中察しいたしております。』
『あぁ・・困ったものだよ・・小娘を信用したワシも迂闊だった。 また使っている人間も無能な奴らばかりだ。』
『例の女性の社長さんは頑張っているのではないですか?』
『フン。所詮女だよ、使えたものではない』
『ですが美央社長も被害者の一人と感じますが・・・』
『相手を読みきれん人間など無能だ、現に会社に多大なる損害を出している・・采配ミスは社長の判断が間違っていたと言う事だ』
『・・・勉強になります・・・。』
『・・・』
『この部屋の事なんですが・・・』
『ほう、いつもと違う部屋じゃないか?どう言う事なんだ?』
『いつもの部屋では外部に情報が漏れやすいと・・あるお方のご厚意で準備させて貰いました』
『ほう・・そんな気の利く奴がおるのかね? 誰かね?是非御礼をさせて貰いたい』
『はい。ですが その方は 自分の名は伏せるようにと言う事でして・・』
『・・・そうか・・ この部屋はとてもいいな。 何か特別な契約が必要なのか?』
『はい。会員制です』
『ほう。年会費はいくらだ?』
『一億円となっております。また一泊100万となっております』
『一億・・』
『NEOSシークレットルームで御座います・・』
『シークレットルーム・・・そんな部屋がここに存在してるとわな・・』
『はい 特典も多数御座います』
『特典とは?』
『会員様のみ、お伝えしております』
『何。このワシでも聞けんと言うのか?』
『申し訳ございません』
『腹立たしい奴だここの宿泊分は自分で払う』
ヒロシは相当腹を立てていた
会社が傾きかけているヒロシに取っては一億の年会費など払える訳が無い
『会長さん、良かったら御覧下さい・・』
そう言い概要のパンフを渡した
ヒロシは無言で受取りテーブルへ投げつけた・・・