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2010/03/14
11:59:17
『待っ・・て・・』
ジャニスは足を止め振り向いた・・
意識の無いはずの愛美がジャニスの方を向いていた
愛美の母は驚いき、愛美に縋りついた
『愛美ちゃん!愛美ちゃん!分かるの?お母さんよ!ねぇ 愛美ちゃん!!』
愛美は母親の手を握り静かな笑みを見せた
『あ・・の・・人を・・』
『うん、うん』
『何か伝えたい事がある見たいです、お願いします』
『・・はい・・』
母親はジャニスに愛美の近くに来るように頼んだ・・
ジャニスは目を疑いながらも愛美を見つめた
『愛美ちゃんこれでいい?』
『あり・・が・・とう・・』
『俺の事が分かるのか・・てんてん(愛美)・・』
『・・じ・・じゃ・・にす・・さ・・ん・・』
「・・・一体・・どう言う事なんだ・・」
『き・・きょうすけ・・さん・・・キラー・・さまぁ・・』
「何故・・あの状態から・・手紙なのか・・京介さんからの言葉がそうさせているのか・・」
『・・・京介さんは・・』
愛美の母はジャニスの腕を掴んで横に首を振った
「ここで愛美の希望を失わせたくない・・そう言う事か・・・」
『愛美ちゃん。あなたのお腹の中に、その京介さんの子供がいるのよ・・・』
愛美の表情が止まった
目覚めたばかりの意識に京介の子供が宿っている現実を突きつける事は何を意味するのか・・・
愛美の覚醒を促すのか・・
それとも・・・破滅への道しるべになるのか・・・
『子供・・京介さんの・・子供・・』
ジャニスは親子のやり取りを聞いていた・・
この目覚めには意味があるものなのか・・
愛美の妊娠は何を意味するものなのか・・
ただの快楽的な行為の妊娠であれば、今までに「綾瀬 千佳」ですらありえた筈だ・・
愛美が妊娠をどう捉えるのか・・・
意識の目覚めが彼女を普通の状態へ導くものなのか・・・
傀儡の呪いのようなものを感じた・・
愛美は自分のお腹を摩り、嬉しそうな顔をしていた
『産むわ・・私・・京介さんの子供を産んで、彼が迎えに来てくれるのを待つわ・・・』
『・・・愛美・・ちゃん・・』
『・・・』
愛美は自分の意思を伝えると、また静かに目を閉じた・・・
『愛美ちゃん?愛美ちゃん?』
『お母さん・・久しぶりに目が覚めたせいか・・疲れたの・・少し休ませ・・て・・』
『・・・うんうん・・』
母親は愛美の頭を優しく撫でていた
愛美は母親の手の中で眠りについていた・・
母親が一つのキーワードだったのか・・・
京介が残した、最後の傀儡「てんてん(愛美)」
日本全国で愛された女・・
そしてメディアに衝撃を与えた女・・
今までに無いくらいの大打撃と惨劇のキーマンだった愛美・・
「京介さんが・・俺に託すと言うのか・・・」
ジャニスは二人をそっとして病室を出た
その後・・
愛美はあの日以来、身体の状態は良いが目を覚ました様子はなかった・・・
愛美は子供を本当に産むつもりなのだろうか・・・
あの時の愛美の目覚めは一体何を意味していたのだろうか・・・
ジャニスは本部事務所のPCモニターから愛美の様子を見ながら
多数の疑問とこれからの事を考えた・・・
残された者がしなければいけない事・・・
妊娠に京介は気づいていたのか・・・
ほっておけば良いものでもあった筈だ・・
それをワザワザ俺に出向かせた意味・・
それもこれも・・ただの偶然だと言うのか・・
「何れ・・彼女が目を覚ました時に・・全ての始まりか・・終わりの答えがでるのだろう・・・」
。