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22:03:28


その晩、それからヒロシは美央と静かな夜を過ごした



ワインを飲みながらクラッシックを掛けていた



美央は、終始ヒロシの機嫌を損ねないよう気遣っているのが分かった




ヒロシは敢えてそのまま行動させた・・・



ヒロシは優しく美央に接した




数分前のヒロシが信じられないかのように・・・




『先程は悪かったな・・美央』



『いえ、悪いのは私です・・それなのに・・』




『お前はワシの女なんだろ・・当然の事じゃ、ただな、やはり業務は業務だ・・悪いと思っているよ』



『ヒロシ・・さん・・今回の事は私の見誤りが原因です・・当然の事と思っています』



『美央・・分かってくれるか』



『はい、ヒロシさん』



『美央・・・今日はもうそろそろ寝ようか』




美央を抱き寄せた・・・




『あぁ・・ヒロシさん・・・』




二人は今までの行為が嘘の様に・・・



二人が付き合い始めた時かの様に・・・




静かにゆっくり愛し合った・・・




翌日。



美央は早々と起き、朝食の準備をした



ヒロシは朝はトーストを好んでいた



テーブルの上にトースト、サラダ、コーヒーを準備しているとヒロシは寝室から起きてきた




『おはよう、美央。今日のワシの予定は?』




『・・・すみません・・私はもう・・・』




『おお・・そうじゃったな・・・すまん』




『いえ』




美央は寂しげな表情を見せた




これもヒロシの意図的な演出であった




『美央、仕事上での引き継ぎがまだ完全ではないだろう?』




『はい・・・』




『ワシが暫くはやらねばならん、聞かなければ分からん事もあるだろう連絡が付くようにしておいてくれ』




『はい(*´∀`*)ヒロシさん』




『それと・・てんてんの代わりのイメージガールの件だが・・・』




『一応・・その件は進めてありましたが・・・』




『あぁ、分かっているが・・・お前の選んだ娘にはならんかも知れん・・気を悪くしないで欲しいんじゃ・・・』




『・・・はい・・・』




敢えて言う事が大事だ・・ ヒロシはそう考えていた




ヒロシは食事を済ますと早々に会社へ向かった。





美央が不在になってからの㈱ MIOは、思いの他、ヒロシの想い描く展開で動き始めた




軌道修正をしながら、徐々に信頼を回復し始めていった。




ヒロシの根回しが講じて、マスコミサイドはてんてん事件での被害者は「㈱ MIO」



悪者は「てんてん」だと仕立て上げられた。




そして数日が経つと「㈱ MIO」の女社長「美央」の存在を誰もが口にしなくなった・・・









社長室




売り上げや株価などを見ながらヒロシは溜息を付いた






『まだまだ 金が足りん・・・』





美央が社長を務めていた頃とは会社の体質は変わり 



ノルマもきつくなり仕事内容もシビアになっていた。




その分、歩合、報奨金制度を取り入れ 



優秀な社員はどんどん昇進させ、やる気のある社員達が増え志気が上がっていた



会社の士気も上がり徐々に売上を伸ばし始めたがヒロシの満足するものでは無かった






ヒロシは以前のように本社におらず出張ばかりしているスタイルを辞め



美央に任せたばかりに自分の会社が潰れかけた事を悔んでいた





「他人など信用ならん」




常にこの言葉がヒロシの頭の中を支配していた。




美央の方はヒロシ中心の生活をしていた。



外に出る時は食材の買い物の時ぐらいで殆ど家の中に居るような状態であった




ヒロシからの指示もあったが、マスコミが忘れ去るまでは 



あまり目立つ行動をすると会社に迷惑がかかる




そう思ってのことだった。




ヒロシの美央への対応は傲慢なものばかりでなく優しい生活でもあった



時には激しい夜もあったが、外食へ連れ出してくれたり



コンサートや両行にも連れ出してくれていた



美央はそんな生活に感謝していた





こんな自分を助けてくれるのは、ヒロシさんしかいない



ヒロシさんの想いを感じる



嬉しい・・



愛を感じていた





ヒロシは美央に対し



安堵を感じさせる事が目的だった




関係を切られてしまう・・



恐さを感じさせないのが目的だった




そして、絶対的な服従化を考えていた




「飴と鞭」 この使い分ける




「美央・・たっぷりと飴をむしゃぶるのだ・・・」











スペシャルVIPルーム




ヒロシはNEOSホテルの秘密通路を通り、自分のルームへ向かっていた




その姿を京介は自室で既に捉えていた




ヒロシはルーム入ると、タバコを吸いながら何か書はじめていた




一人でニヤニヤしながら・・・ 



何かを呟き・・ 



興奮しているようだった




『このプランならば完全な奴隷に仕立て上げれる・・・沢山の奴隷を作り、飽きたら殺せばいい・・・。』




ヒロシの部屋の電話が鳴った




「プルルル」




『ワシじゃ。』



『サタン・・。キラーだ』



『おぉ、待っとったよキラー君。実はな、例のプランに付いて重要な事をメモにした。この通りに行ってもらいたいじゃ』




『ほう・・・。まずはターゲットの名を聞かせて貰おうか・・・』




『うちの元 女社長の「美央」だ知っているだろう?』




『美央・・・、知っているとも・・・自分の妾(めかけ)を奴隷化するとは・・・お前もいかれた男だな・・・』




『君には言われたくないね、君も奴隷がいただろう。そして殺すと言っただろう』




ヒロシが意味する人物は「ゆな」の事であった。





『あれはビジネスやお前から金を貰ったから殺したまでだ。妾では無い』




『まぁ、良いではないか、今回もキッチリ金を払うしっかり頼む』





『・・・分かった。』




ヒロシは何の躊躇も感じていないようであった



むしろ楽しみにしている様な口ぶりであった





『プランをここにFAXしろ』





京介は自室のFAX番号を伝えた。




ヒロシは先程、描いたプランをFAXした




京介はその用紙を見た





『己は本当に頭のいかれた男だな・・・本当に良いんだな?』





『なーに・・・死んだら、また変わりを見つければ良い。それだけの話じゃないか美央はその実験台じゃ、沢山作る中でより最適な方法を編み出してくれ キラー君』





『フンッ、金次第だ』




『それは心得ておる』




『実効日はいつになる?』




『来週早々にでも頼む』






『・・・もう一度だけ確認しておく、本当に良いんだな?』






『何だね・・』





『後悔はしないかと聞いているんだ、お前にも良心と言うものがあるかと思っての確認だ』





『そんな無駄の物は全く無い、億単位で会社を潰しかけた女だ、生かされているだけ、まだ優しい方じゃろ!ワッハッハ』





『そうか・・よく分かった。来週、実行に移る・・・。お前は完成まで本人とは会えないがいいか?』





『分かった・・そんなアバズレ幾らでも変わりはおる大丈夫だ』





ヒロシのプランは非道なものであった





京介はこのプランを遂行する事は可能だ・・・




そう感じてはいたが自分の存在をどう隠して展開するか考えていた・・・




この時、京介は最終段階の美央を想像した




『・・・美央・・・お前は馬鹿だよ・・あれだけ救いの手を差し伸べたのに・・・』





ヒロシはその後も室内でタバコを何本も吸い 



自分のプランに酔いしれているようだった




美央への気持ちは最初から「性」の処理的な思いしかなかったが 



仕事が出来る事で評価も上がっただけ




だが、今回の損害により評価は下がり 



いつの日か憎悪へと変貌していった。







『遂に最終プランやな・・・しかし・・・ここまで考えているとはな・・・アイツは本当の悪魔かもしれんな・・・』





京介は美央を監禁するために道具を準備していた




心なしか、気が重い様な感じがしていたが 




身勝手な思いから始まった「傀儡」プラン。




沢山の被害者が出た




会社を失ったもの



金を失ったもの



大切な人を失ったもの




ヒロシが絡み始めてからプランは感情的になり過剰化した






『もう・・後戻りなど出来ないのはヒロシではなく・・・ワシ方かも知れんな・・・』





静寂の中、本当の扉が開かれる時が来た・・・






『お前には、本当の地獄を見せてやるよ・・・サタン・・』





























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