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屈辱・羞恥・教育・官能小説
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12:53:31

「ピクピク・・・」




結衣の瞼(まぶた)が痙攣するように動いた




「・・・」




ジャニスは結衣を動きを見ながらPCのキーボードを押した





「カチ・・・カチ・・」





「良し・・」





ヘッドギアを外した




結衣はその後の変わりなく眠っていた






「ガシャン・・」





「傀儡 NO、001 結衣」の鉄格子が閉められた





「カツカツ・・・」





「ピタ」




ジャニスは足を止めた








「傀儡 NO、005  亜衣」






牢獄の中を見た





亜衣は目隠しをされ、両手足を完全に椅子に固定されてる・・






「・・・」






「カツカツカツ・・・」







出口の扉へ向かった








「ギギギ・・・・」








鎖で固定される鉄の扉を開けた







「ガシャン」






「チャラチャラ・・」








厳重にロックを掛け階段を登った








「カツカツカツ・・」







いつもの地下通路に出た








「ガシャン」






「ピリリリ・・」





「ピッ」







『京介さんがお見えになりました。VIPへお通します』






『そうしてくれ』






『誰か連れてきているようですが』






『あぁ・・分かっている』







ジャニスはVIPルームについた





小窓から中を見た






京介と見た事のない女が居た






「アイツが・・例の医者か・・・」









「コンコン・・」





「ガチャ・・」






『お疲れ様です・・』






『例の物、持って来たぞ』







そう言い、室内のテーブルに置いてある中型のダンボールを指さした







『ありがとうございます』







ジャニスはダンボールを開けた







「ガパッ」








中にはギッシリと隙間のないくらいに薬剤が入っていた






インターホンを押して 「X」を呼んだ






「コンコン」







Xが来るとジャニスは中身を分別したうえでしまってくるように指示をした







『失礼いたしました・・京介さん、こちらの方は・・?』






『おう・・そやな、こちらは「Dr、琴菜」はんや』





『挨拶が遅れてすみません、ジャニスと申します』






『どうも・・』







琴菜はジャニスから名刺を受取った







『京介さん、いつもこの人が薬剤を?』





『あぁ、そうや・・色々頼んでいるでな』






『素人が扱う代物じゃないのが多いから・・どんな人が扱ってるかと思ったら・・飲み屋の人とはね・・フフフ・・』





『・・・』





『琴菜はん・・・そう言うけどな・・コイツはなかなかキレ者やで・・ニヤリ・・』






『そうですか・・それは良かったですね』







京介はジャニスを横目で見た







ジャニスは表情一つ変えず、酒を作り始めた







「コト・・コト・・」







『どうです?琴菜はん、ええお店でしょう?』






『そう・・ですね・・』






『いつもでも使ってやってくださいよ』





『ええ・・』






琴菜はVIPルームを見渡した







『琴菜さん、どうぞお見知りおき下さいませ・・』






『え?ええ、分かったわ』







琴菜はジャニスを見た







『貴方・・医学の道にでもいた事あるのかしら?』






『医学部を終わっております』






『そ・・そうなの・・どこの大学?』






『〇〇医科大学ですが』






ジャニスの答えた医大は日本でも有名な大学だった





『そんな大学を出て、何故飲み屋なんてやってるの?』





『趣味ですね・・』





『趣味?』






『ええ、医学よりも私は人間に興味があるもので・・・』






『人間に?』







『ええ・・酒を飲み、異性を気にしたり、愚痴を語ったり、実に人間と言うものは他者からの評価を気にするものだと・・・そこで見える人間の本質や本性に興味を持ったのです・・』







『そ・・そうなの・・それと・・薬は何の関係があるの?』






『・・・』







ジャニスは答えなかった







『琴菜はん・・・そうあまり詮索しないでくれます?全部、ワシの指示やねんから・・』






『そ・・そうですか・・でも・・素人に扱わせるのは何か問題が起きた時、大変な事になりますよ』






『大変な事?・・・なったらなった時ですわ・・・ニヤリ・・・』






京介は琴菜の肩に手をまわした







『琴菜はん・・・いらん詮索はせんでええ言うたやないか・・あんたも・・薬まわして小銭稼いでいる事ばれたくないやろさ・・・』







『は・・はい・・』







『色々と相談乗りますさかい・・今後もよろしゅうたのんますわ』







ジャニスは京介に言いくるめられている琴菜を見た








「・・・その程度か・・・」








今までに京介から数名の人間を紹介されたが・・この「Dr、琴菜」は一番最低な部類だと感じた・・






その後、会話は違う方向へ進んだ・・・

















『琴菜はん・・先に帰って貰えます?』





『え?ええ・・分かりました・・』






琴菜は言われるがまま席を立った







「ガチャ・・」







ジャニスは琴菜を出口まで送りだした







『本日はありがとうございました』








『・・・あんた・・問題起こさないでよ、こっちに飛び火はごめんだからね・・』








琴菜はそう言い店を立ち去った










「なるほど・・・コイツはいいカモだ・・・京介さんに選ばれるだけの事はある・・・」















ジャニスは不適な笑みを浮かべた・・















後に・・琴菜は最悪の結末を迎えるとはこの時は誰も気づきもしなかった・・・






























































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10:37:59

「カツカツカツ・・」




「ギィィー・・・」





「傀儡NO、001 結衣」





義務的に点滴を交換しているジャニス・・・




そこには未だ昏睡状態の結衣の姿があった・・




京介に結衣の覚醒を伝えて数十日が経とうとしていた




点滴を取りかえるとジャニスは結衣の顔をじっと眺めた




顔色もよく、安らかな眠りについているようにも見えた




「そろそろ最終段階へ移行しないとな・・」





「ピリリリ・・・」






『はい』




『ジャニス・・ワシや』




『お疲れ様です』





『薬剤が揃ったで』




『ありがとうございます』




『今からそっちに行くわ』




『分かりました・・お待ちしてます』





『うん、それと・・今日、結衣・・いけるか?』





『薬剤さえ揃えば・・最終段階のテストが可能です、それさえ終われば』





『そうか・・・ある・・医者を嵌める・・』





『医者ですか?』





『正確に言うと・・患者と医者を嵌める事になるがな・・』





『ほう・・それは面白そうなプランですね・・ニヤリ・・』





『あぁ・・時間は掛かるがな・・その医者をこちら側に引きこむんや』





『ほう・・医者を・・』





『あぁ・・きっと役に立つでな・・』





『オペとかに使う予定ですか?』





『どうやろな・・傀儡に肉体的な改造は必要としない・・体は五体満足でいて貰わないと役に立たんからな・・』





『そうですね・・では・・何故?』





『薬だ』





『入手ルートにですか?』





『それもある・・どうも金にえげつない事言い始めよったでな・・ちぃと・・締めあげて二度と逆らえんようにしてやろうとな・・・』




『フフフ・・・表社会の人間はどうも先生と呼ばれる事で勘違いをし始める方が多いようですからね・・』





『そうや・・先生言うたかて・・政治家言うても、芸能人言うても、所詮、口から飯を食い、ケツから糞を垂れるだけの人間や・・・なんも変わりない・・ただの人や・・』





『全くです・・』






『己が主役と思っている連中が大半のこの世界・・・己らはワシ等の捨て駒や言う事を教えてやらなあかんわ・・・』





『はい・・では後ほど・・』







「ピッ・・」





なるほど・・・そのプランに結衣を導入するんだな・・・






患者と医者・・・







結衣が京介の傀儡として動くのは2度目・・・







一回目はプラン途中で結衣が不安定になり急遽「002」を導入した経緯があった







ジャニス的には失敗作、次回は何としてでもプランを遂行させないといけない・・そう感じていた








結衣の頭にヘッドギアを装着した







ヘッドギアに繋がれるコードは特殊な機械を通りジャニスのノートパソコンと繋がっていた







「ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・」








「良し・・調度良い状態にあるな・・・」








「カチャカチャ・・」








「カチ」








PCから送られる信号を身体が受け取ったのように結衣が「ピクン」と反応した
































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10:10:04


[Paranoia Cafe]




「カラン・・」




ここに来たのは・・何年振りだろう・・・



相変わらずの雰囲気・・・



豆の香りがほのかに香り



何処となく古ぼけた感じ・・




昔、よく通っていた頃を思い出した





『ジャニス、久しぶりだな』



『御無沙汰してます』



『ブラックか?』



『はい・・』




ジャニスは物静かに答えた・・




「コポコポ・・・」




昔から使っているコーヒーメーカーが目に入ってきた



まだ、こんなものを使っているのか・・・



そう思う反面、嬉しくも感じた・・




『はいよ』




「コト・・」




『ありがとう・・』




マスターは音楽をかけた・・




「~♪」




『フフ・・』




『どうした?』




『マスター・・相変わらずですね・・』




『うん?』




『昭和な音楽』




『ハハハ・・そうだな』





店内には昔懐かしの懐メロのような音楽が流れた・・






会話も少なくただブラックを飲みタバコを吸うジャニス・・・



ジャニスが来てるのにも関わらずのんびり音楽を聞いているマスター・・






店内に流れる曲に聞きなれた曲が流れた・・







「いつも私の事だけずっと思っててくれなくていいの 自分の夢にすぐムキになる・・・・」




「自分だけの神様 Love 平凡な Love 囁きが貴方の唇 宝石に変える・・・」




「天国にあなた一番近い島・・・」







『懐かしいな・・ジャニス・・』





『・・・』






ジャニスは下を俯いたままだった・・








『何で・・アイツ・・あんな事したんだろうな・・・』







「Love星の降る場所 Loveその場所に・・・」




「Love Let’s stay togethgr  Love 誰よりも天国にあなた一番近い島」
















「コポコポ・・・」





『マスター・・』




『なんだ?』





『人は・・・自分の意思で何でも思い考えて行動してると思いますか・・・』




『そうなんじゃないのか?』





『京介さんは・・そんな事にすら疑問を感じる人でしたよ・・』





『アイツは変わっていたからな・・』





『今なら分かる気がしますよ・・・何故「天国に一番近い島」を好んでいたのか・・・』





『確か・・携帯もその曲で鳴ってたな』





『・・・』





『本当に・・死んじまったのか・・京介は・・』




『ええ・・・』






「カラン・・・」





『マスター!いつもの』






ジャニスの座るカウンターの隣に女が座った




ジャニスは隣の女を見る事無くタバコを吸った








「フゥー・・・」







『あれ・・ジャニス君じゃない・・?』





横目で女を見た・・













「・・恵理・・」







『誰だ?お前・・・』






『えっ?違うの?マスター?』






マスターはジャニスが素知らぬふりをした事を考慮した





『恵理ちゃん、似てるけど別人なんだ、俺もさっき間違えたんだ』





『す・・すみませんでした・・』






女は間隣の席から一つ席を空けた







「そう言う事か・・・マスターが懸念したのは・・・」






ジャニスは金をカウンターに置き無言で立った





「ガタ」





『お客さん!これじゃ多いよ』





ジャニスは振り向く事も無く片手を上げた





「カラン・・・」




「バタン・・」














「あそこは時間が止まる場所だな・・」




「少し風に当たるか・・」







ジャニスは宛ても無く歩いた・・







「・・・」





立ち止まった







目の前にある大きなビルを見上げた







「株式会社 MIO」





世の中を混乱させ大きな衝撃と傷跡を残した㈱ MIO・・・




今や廃墟と化していた・・




入口にはボロボロの張り紙が一枚貼られ






窓ガラスが幾つも割れていた




京介の落下した場所へ行った




今も尚、血痕の後が残っていた・・・









「まるで獣に食いちぎられたかのような落下死体・・・」






そんな新聞の見出しを思い出した・・・







「コツコツコツ・・・」






ジャニスは脚が立ち止まった・・・










「現在のビルのオーナーは誰なんだ・・・」






「ピッピッ・・」





『プルルル・・・』





『お疲れ様です』




『店はどうだ?』




『いつも通りです・・』




『そうか・・一つ調べて欲しい事がある』




『はい』




『㈱ MIO・・覚えているな』




『はい・・』




『現在のオーナーを調べてくれ』






『分かりました・・』






「ピッ・・」





ジャニスはその時・・言われようのない何かを感じ取っていた・・・






「ニヤリ・・・再び始動するまで・・・温存しておかなければならないな・・・」







「カツカツカツ・・・」


































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10:12:37


電話を切ると京介は何かを考え込むようにしていた




『ジャニス、結衣の調整を頼むな・・』




『はい』




『使いものにならなくなった傀儡達を再利用できるかもしれん』




『分かりました、使い道などはもう考えてあるのですか?』




『・・・結衣は・・容姿が良い・・ターゲットに向けて使うコマとするのには調度良い』




『餌のようなものですか?』




『ギアみたいなものやな』




『なるほど・・ニヤリ』





京介の完全に人間無視とした思考に傀儡の未来が見える・・そう感じていた





『006の方はどうですか?』




『洗脳には成功している』




『京介さん、一つ聞きたいのですが宜しいですか?』




『なんだ』





『傀儡の奥底に根付く心理に付いてですが、結衣を見てて感じるのですが・・何故、言葉や理性を失いつつある傀儡達が京介さんに執着するのかです』





『お前が作り出すドラックがなければあそこまではいかん』





『ありがとうございます』





『だが、薬では限界がある』





『そうでしょうね・・』





『与えるんだよ・・・ニヤリ・・』





『与える・・?』





『恐怖だ』






『なるほど・・』





ジャニスはグラスを見ながらじっと考えた・・





『まだありますね・・』





『安堵・・・』





『飴と鞭の使い分けですか』





『少し違うな・・』





『と言いますと?』






『絶対性のある恐怖は死を意識させないといけない・・そして安堵は何人(なんびと)も犯す事の出来ない領域、を教え、意識させるんだ・・その時に大事なのは安堵の大きさや・・』





『死を目の前に突き付けさせ、その隣り合わせに絶対的な幸福を与える・・』




『そうや・・それはとても素晴らしく・・命を賭けてでも守ろうとしたくなる程の安堵を与える・・』




『どちらにせよ、用意されるのは「死」と言う訳ですね・・』




『最悪のケースはそうなるだろうな・・』




『人間と言うのは実にくだらない生き物だ・・絶対的な安堵でもそこに慣れと言うものが発生する』





『確かに・・安堵の中も何れ慣れ、満たされなくなってくる・・人はそう感じるものですね』





『それでも尚、人は安堵を失いたくないあまり、死に物狂いでそれを守ろうとする』





『でしょうね・・』





『そして満たしきれない想いを埋めるのに「体」を使うんだ・・』





『性欲は直結しますからね・・・』





『そう言う事や・・人間は何だかんだ言っても、体を使い確かめようとする・・何度でも何度でもな・・』




『・・・』




『女は、体を時として武器に使い、時として守りとしても使う・・・そんな安い思想を理解したうえで相手の心を理解したふりをしてやるんだ・・』





京介はクスクスと笑いながら淡々と語った・・・








「なるほど・・京介・・この男は深層心理を理解したうえで相手の脳ではなく、心を支配するのか・・・」






『流石ですね。ドラックやプログラムでの支配は「脳」が限界かもしれませんね・・』





『100%とは言わないがな・・何でも理由を欲しがる馬鹿な生き物には、都合の良い言い訳を用意してやり理解者を演じるんだ、そこが大事だ・・故に、心のせいにする馬鹿も多い・・考えているのは頭なのにな・・ガハハハ・・』




『確かに・・』





地下に監禁している傀儡達・・・







京介のプランにより幾つものドラックを投与し傀儡化してきた







中には死んでいるのと同然のものもいる・・







薬に耐えきれなかった傀儡・・







自慰行為ばかり耽る傀儡・・・







この度合いを見て、現在の「006」の完成に近づいたのだろう・・・







『ジャニス・・今後もどんどん傀儡を増やしていく、使いものにならないものは下半身が使えるうちに例のオークションで排出してくれ』




『はい』




『それと・・今、考えている大きなプランがある・・そこに照準を合わせる・・』




『それは楽しみですね・・・ニヤリ・・』





『あぁ・・日本に大きな爪痕を残してやる・・・クックック・・』





『その後だ・・確執された俺達の世界が出来るのは・・・ニヤリ』























『オーナー・・オーナー・・』




「X」がジャニスを呼んでいた




『どうした・・』




『考え込んでいるようでしたので・・』




『・・・少し出掛けてくる・・店を頼むな・・』




『は・・はい・・』





外に出ると辺りは薄暗くなり、仕事帰りのサラリーマンやOL達が行き交っていた






「こいつらも・・自分が主役と思って生きているんだろうな・・・」





京介が昔、言っていた言葉を思い出した・・












「ジャニス・・人はいつでも自分を特別と思い、人生の主人公と思い生きている・・・だが・・そう言う奴等の大半が脇役なんだ・・・」












「それが・・傀儡の始まりだった・・な・・」








「ピッピッ・・」




「プルルル・・・」





『はい、[Paranoia Cafe] です』





『お久しぶりです・・マスター・・ジャニスです』





『久しぶりだね・・何年ぶりだろうな・・』





『近くまで来たんでそっちに顔出そうと思うんですがいいですか?』






『そ・・そうかい・・うん待ってるよ・・』







何か言葉に引っかかりを感じた・・・







「来られては不味いのか・・」













「まぁいい・・久しぶりにマスターのブラックでも飲みたい気分だしな・・」








「カチ」












タバコに火をつけた・・













「フゥー・・・」















ジャニスの吐きだした煙は人の渦に飲まれるかのように消え去った・・・

































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2010/08/07
10:35:38
ジャニスは事務所に着いた




応接室に通された女が座っていた


ジャニスは京介の待つ[VIPROOM」へと向かった



「コンコン」




『待たせしてすみません』




『ええよ、今来たとこやさかい』




『実は朗報が御座いまして・・・』




『なんや?』




『結衣・・覚えていますか?』




『結衣・・001だな』




『はい・・「覚醒」に成功しました』




『そうか・・』




『今後、結衣で色々と実験を繰り返せば完璧なドラックが完成すると思います』




『そうか・・しかし、体が持つのか?』




『そこで多少お力を借りたいと』




『幾らでも力を貸すぞ・・我等が望む世界の一歩だからな・・ニヤリ・・・』




『今はどうしている?』



『現在は眠らせています』



『そうか・・・時期を見て会おうじゃないか・・結衣に』



『ええ、京介さんの存在は記憶の奥底に根強く残っていました』



『そうか・・結衣は俺が居ないと何も出来ない奴だったからな・・クックック・・』



『しかし、よくぞあそこまで手なずけるものですね・・』



『簡単だ・・全ては理解だよ・・ジャニス』



『・・・なるほど・・』




二人はその後、今後の傀儡プランに付いて語り合った



ジャニスは京介の言う理論と理解を考えながら話を聞いていた・・・



遊びで快楽の薬を発案し調合し色んな人間に試したジャニスに新たなる扉を開いた京介・・






この男は何を考えて生きているのか・・・



女性蔑視・・



弱者軽視・・



いや・・違う・・この男は人間の本質を見抜き、そこに入り込み、玩具のように扱い人格を壊す事に楽しみを感じている・・



人間無視の精神が基本なのだろう・・・




面白い男と出会えた・・そう感じていた









数年前・・






ジャニスは大学を終え、財閥の家の金を使い趣味でカフェをOPENさせた




趣味の領域とは言え、敷居の高い場所である・・




腐った世の中にある、都会のオアシス、最後の楽園として




「HEAVENS Cafe」をOPENさせたのだった




コーヒー一杯 5000円のカフェは上流階級の人間しか入れない場所であった




一見さんお断りの会員制クラブ、そこには沢山の秘密が宿してあった




ある時・・



「Paranoia Cafe」 のオーナーに連れられて来たのが「哀川 京介」との出会いの始まりだった・・





『いらっしゃませ』




『オーナーを呼んでくれ、紹介したい人間がいるんだ』




『はい、少々お待ち下さい』




『オーナー、Paranoiaのオーナーがお呼びですが』





ジャニスはくるりと振り返った・・




モニターをジッと眺めた





「誰だコイツ・・」




『直ぐ行く、VIPでお待ちいただけ』




『はい、分かりました』
 




ジャニスは多少警戒しながらVIPへと向かった




「コンコン」





『お呼びでしょうか』




『ジャニス君、実はね紹介したい方がいるんだ』




『ありがとうございます』




ジャニスは名刺を京介に差し出した




『どうも・・哀川言います・・』




座ったまま軽く会釈をする京介・・・




『哀川さんは関西から来たばかりでね』




『そうですか・・』





東京で関西から出て来たばかりの男は別に珍しくも無い・・




『お仕事は何をされているんですか?』




『何・・・ワシの詮索か?オーナー』




京介のニヤニヤしながら言ってきた





『いえ、そう言うのではありませんが、素性を知らないままでは、こちらのルールに反しますので』




『ルール・・ほう・・カフェごときが・・偉そうに・・フッ』




『哀川さん、俺の顔に泥を塗るつもりかい?』




『そんな事無いさ、俺は他人に詮索されるのが嫌いでね・・』




『では、引きとりいただきましょう、どうぞお帰りください』





ジャニスはVIPの扉を開けた





『フン・・・ハッハハハ・・・随分、気高いカフェやな・・えーと・・』





京介は名刺を見た




『ジャニスさん、ええ度胸しとるやないけ』




京介はジャニスの元に近寄った




『こら!辞めないか!哀川くん!』




『黙っとけ、ジジィ・・ワシはコイツに話しとんねん』





顔面を接近させてきた





『おぅ・・ジャニスとやら・・』




『何でしょう』




『お前・・ええ根性しとるやないか』




『普通ですが』






『哀川!そんな事の為に来たんじゃないだろう!』





『チッ・・そうやったな・・』




『・・・』




『ジャニスとやら、お前・・薬の調合が得意と聞いてるが・・』




ジャニスはParanoiaのオーナーを横目で見た




『オーナーから聞いたんですか?』




『そうや・・』




『普通に座って話をしませんか?』




『おう・・』

















ジャニスは京介との出会いを思い返していた・・・




『京介さん、お願いがもう一つ・・』




『なんや?』




『ドラックの補充をお願いしたいのですが・・』




『何の薬や?』




『これです』




ジャニスはメモに必要な種類の薬剤を書いていたものを渡した





『ぎょうさんなるな・・』




『覚醒は成功しましたが、これが他の物で同じ効果が得るとは限りません』




『なるほどな・・』




『結衣だけではなく、005まで実験したいんです・・恐らく微調整や、追加の薬剤が必要になってくると思うんですよ』




『分かった』





京介は携帯を出した




「ピッピッピッ・・」





『もしもし・・哀川ですわ・・』





『薬剤の注文を頼む』





「誰と一体話しているんだ・・」





ジャニスは薬の調合で新たなる道を開けたのも京介が居てこそだった・・



多くを語らない京介から薬剤の入手ルートは敢えて聞いていなかった





『〇〇と・・』





京介は薬剤の名と量を次々に上げていった





『至急頼むな・・・琴菜はん』






「琴菜・・・聞いた事無い名前だな・・・」






「ピッ」





『ジャニス、薬はそろい次第俺が持ってくるいいか?』





『はい・・』







ジャニスは敢えて聞かなかった・・




































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